漫才から始まる
屋上に上がると、時音(シオン)がいた。


「おい、なんでさっき逃げたんだよ。アホー」

時音は動じず、空を見ている。


なに?こいつ、人の話を聞いてない!?

「シオン!!」
でかい声で叫んだ。

「わかっとるわ。バーカ。」
ちらっとこっちをみて、あいつは言った。

「うわぁ〜腹立つぅ~返事くらいしてくれたっていいでしょ?」
シオンに近づきながらながら私は、言った。

「考え事してたんだよ」




「あんたが?」

「悪いかよ?」

「いや…全然!」

「よろしい。」

私はシオンのようにコンクリの上に座った。
座ると同時に、潮の匂いを連れながら海から風が吹いた。
癖で、思ったことをすぐ言葉にするわたしは、つい潮のいい匂い!!と言っていた。
シオンはバカだこいつとばかりにガン見してくる。
「何?なんか文句でも?率直な気持ちを述べただけですけど?」


「やっぱ…お前バカだな。」


「変人だって言ってくれる?」
「どっちも一緒だろ!」

「違いますー変人の方が私にとっては誉め言葉なの!!」
きょとんとするシオン。
「バカが写るな~こりゃ~」
と言って、あいつは屋上を去って行った。


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