オカシナふたり
「ねねっ!!!」

 その場を立ち去ろうとするトモカを隣のオバサンが呼び止めた。
 ここで……ここでトモカに逃げられてしまっては彼女のミッションは遂行されない!
 そうなってしまうと昨日からの疑念がモヤモヤとなって彼女の胸中を支配し、昼間の『みのさんの番組』を心から楽しめなくなってしまう。
 彼女はそれだけは避けなければならないと必死だった。

――その必死の気迫が通じたのだろうか?

 トモカはそそくさと立ち去ろうとする脚を止められてしまった!
 まあ、実際は何も考えてはいないのだが。
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