オカシナふたり
 そんなことはさておき、トモカの中では滅多に動かされることのない脳ミソがフル稼働し、ある一つの結論が導き出されていた。

 この場を何とか切り抜けないと……カズキくんの事が警察に通報される!?

 悪い方に向いた思考は転がり落ちるように最悪へ最悪へ流れていく。
 現在のトモカがまさにその状況で、このオバサンをどうにか誤魔化さないとカズキとの一時の幸せな生活が壊される――とまでこの短い瞬間に思考が行き着いてしまっていた。

 すでに……遅刻してはいけない、という当初の目標は置き去りにされていた。

 トモカのオバサン攻略ミッションが今、スタートされたのだ!

――まあ、気持ちの上で盛り上がってるのはトモカの心の内だけで。
 実際はものすごくショボいことなのであるが――。
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