オカシナふたり
 トモカの好意によってひとまずはこの部屋に置いてもらえることとなった。
 しかし、いつまでその好意に甘えていることができるだろうか?
 カズキから見れば十分に大人であるとはいえ……トモカはまだ若い。
 赤の他人であるカズキをいつまでも面倒を見るわけにもいかないだろう。

(……せめて、夏休みの間だけでも)

 そんな事を考えながらギョウザを無意識に作るうちに……完全に作りすぎてしまった、そんな次第だ。

 カズキは悩んだ末――そのギョウザを全て食卓に並べることに決めた。
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