オカシナふたり
 昨夜、トモカと一緒にハンバーグを食べたのを見たが……トモカは体型の割には良く食べていたような気がする。

(それにしても……)

 食卓に並べて……並べきれるかどうか、少し不安になるくらいの量を作りすぎてしまっていた。

(いくらなんでも……食べきれないよねぇ)

 そんな常識的な判断を下しながら、残りは自分の昼ご飯に回せば良い。そう考え包み終えたギョウザを全て焼いてしまうことに決めた。

 冷蔵庫には冷えたビールが入っていることを確認している。
 トモカが晩酌をすることを察知したカズキは食器棚の中から中くらいの大きさのグラスを取り出し、それを冷蔵庫の中に入れた。

(トモカさん、早く帰って来ないかな)

 トモカがカズキとの生活を楽しみに思うのと同様に……カズキもまたトモカとの生活を幸福に感じていた。
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