最初で最後の私の恋【完】
『友達もできた。毎日が初めてのことばっかりで…毎日が楽しくて…先生もすっごく優しくしてくれた。私…それに甘えちゃって…佐藤さんに優しくしてもらって天狗になってた。でも気付いたの、佐藤さんに気持ちが揺れたのは先生がいたからだって』

「僕がいたから??」

『うん。もし先生がいなかったら佐藤さんに揺らいだりしなかったと思う。先生がいたからこそ馬鹿みたいに浮かれて…佐藤さんの優しさに甘えてた。先生がいなくなって毎日がつまらなくて、佐藤さんに逃げようとした…でもできなくて、佐藤さんから逃げてきてそれで…』

こんな私を先生は笑うかな?

でも私は…

『私先生が好き。今さら何言ってるんだって、勝手なこと言うなって思うかもしれ…きゃっ!!先生?!』

「ありがとう。なつみちゃんの気持ち伝わったから。ちゃんと伝わったから…」

私を抱きしめながら先生はそう言ってゆっくり私を離した

「僕ともう一度やり直してくれないかな」
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