最初で最後の私の恋【完】
『私小さいころから病気で全然遊んだことなかった。本当は遊びたかった。みんなといっしょに走り回りたかった。みんながずっと羨ましかった。だから…最後にって…』

「なつみ…それならそうと言ってくれれば仕事お休みもらったのに…」

『それが嫌なの!!私の病気のせいで仕事を休んだり行動範囲が狭くなったり…それが辛いの!病院にいても家にいても私はすごく邪魔になる。私の居場所なんてどこにもなかった…』

「なつみは邪魔なんかじゃないわ」

『違う。お母さん無理してる。お母さんこの前ぼそっと言ったの「疲れた…」って…私はその疲れる要素に少なくとも半分は入ってる。』

「……………」

『でも私は遊園地ですら行けないんだね。もう何をするのも許されないんだね』

「なつみちゃん…」

『でもよかったよ。最後に少しでも遊園地に行けて♪』

ニコッ

「なつみ…」
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