僕のミューズ
……………
永遠に続く気がしていた大学生活。
気づけば四年目の夏を迎えている。
一年目は先輩たちに連れられて海に行き、ナンパのコツを覚えた。
二年目は覚えたコツを使い女の子達とひと夏の…まぁ、所謂若気の至りだ。
とにかく調子に乗っていたのは間違いない。
三年目はさすがに落ち着いていた。紺達と飲んだりキャンプに行ったり、たまにクラブで女の子引っかけたり。
特定の彼女はいなかったし、どちらかといえば男臭いことばっかしてた。
そして、四年目。
覚えたナンパのコツも、男臭いアウトドアも、頭のどこにもない。
あるのは、たった1人の女の子の事だけ。
「花火だろ~、プールだろ~、後は…旅行!」
ふっふ~んと、可愛くも何ともない鼻歌を歌いながら、気持ち悪いくらいの笑顔で圭吾はスケジュールを確認していた。
「暑苦しい」
「ウザい」
「目障り」
「いやいやいや、厳しすぎでしょ」
うちわをはたはたしながら、俺達三人は浮き足立っている圭吾に冷水の如く尖った言葉を投げつける。
それでもテンションの上がりまくっている圭吾にはあまり効かず、弓を描きっぱなしの目元のまま携帯をいじっていた。