僕のミューズ
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幸の前には苦難有り。
暑さの増して行く中俺達は汗水垂らして人のノートをせっせと写し、何とか憎きテストを乗り越えた。
と言っても、4年にもなればテストなんか数える程もないので、汗水垂らしては言い過ぎだけど。
それでも普段サボりがちの脳をフル回転させ何とかテストを乗り越え、待ちに待った夏休みに突入した。
そして最初の予定は、みんなでの海。
テストが終わってすぐだとか徹夜明けだとか、そんなのお構い無しだ。
最高の幕開けと共に、眩しい夏を迎えた。
「おっはよーう!」
…誰だよ。と、突っ込みたくなったのは俺だけじゃないはず。
待ち合わせ場所にいたのは運転手の圭吾。
大きなバンの運転席から片手を出す彼は、何気取りなのか大きなサングラス。
「何それ」
「かっこいーっしょ?昨日買ったの」
「お笑いだって」
俺は荷物をトランクに乗せ、圭吾も車から降りてきた。
「いやー、晴れたね!絶好の海日和だね!」
いつもに増してテンションの高い圭吾は、「浮き輪ももってきたし~」と鼻歌混じりだ。
「遥も楽しみで寝れなかったんじゃないの?」