僕のミューズ
……………
照りつける日差しが痛い程の晴天。
ビーチには早くも水着姿の人達がこんがりとした肌を見せている。
「とりあえず日陰取れて良かったよな~」
シャツを脱ぎながら、圭吾が言った。
「俺達に感謝しろよ」
「あざーす」
「わ、感情込もってね~」
そんな圭吾と真二のやり取りを見ながら、俺と紺も水着に着替えた。
露出した肌が既に日差しを吸収している。
「女の子達は?」
「今車で着替えてる。もう来ると…」
思う。そう言おうとした俺の視界に、今まで見ていたむさ苦しい肌とは違う人種が入った。
「あっつーい!」
男四人。見事なままに、視線を同一方向に向ける。
車から降りてきた四人は、贔屓目じゃなく、そこらの女の子に比べたら数倍魅力的だった。
そんな中、俺はすぐに、黒髪のお団子を見つける。
佐奈ちゃんの後ろから、砂に足を取られそうになりながら歩く姿。