僕のミューズ
「まぁ…うん」
「何照れてんだよ~!」
バシィッと手形がつくくらい真二に背中を叩かれて、思わずよろける。
「っしゃ!行きますか~!」
「浮き輪とか持って来たし!」
そんな俺はお構い無しに、ぞろぞろと海へ向かうみんな。
俺は手持ちぶさたな右手で頭をかいて、その後ろから続いた。
俺の前を歩く芹梨の後ろ姿。
一瞬見て、思わず目を反らしてしまう。
…今日1日、芹梨をまともに見れるだろうか。
そんな情けない言葉が、脳裏をよぎった。