僕のミューズ

僕のミューズ

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目が覚めたらやけに部屋が寒く、カーテンの隙間から見える外の景色がうっすらと白く見えた。

寒さにかじかんだ指先を伸ばしながら、カーテンを開けると、外にははらはらと粉雪が舞っていた。

｢雪か｣

思わずそう呟いて、はあっと息を吐き出す。

白いそれは、ガラスに曇りを作り、そしてすぐに消えた。


晴れ舞台の日。

天気予報では晴れだったから、圭吾辺りは多少なりともがっかりしているかもしれない。
でも俺は、雪で案外よかった様に思う。


一瞬の白銀の世界。
その刹那は、俺たちのショーと一緒だ。


俺は少しだけ微笑んで、カーテンを思い切り開けた。