僕のミューズ
送信した後、しまった、このメールじゃ返信がないかもと、女子高生みたいな考えを巡らせてしまった。
そんな自分に軽く恥ずかしくなり、ばたんとベッドに倒れる。
…合コン、か。
あの時、芹梨にお礼がしたいと言ったのは、純粋な気持ちが半分、残り半分は、謂わばよこしまな気持ちだった。
どうにか芹梨との関係を繋ぎ止めたい。これきりにしたくない。
むしろ、その気持ちの方が大きかったかもしれない。
そのお陰で、こうして芹梨の連絡先を手に入れたわけだけど。
その代償が、今回の『合コン』だ。
合コン。出会いを求める場。
芹梨は女子大で、出会いがないと言っていた。
少なくとも、合コンのセッティングを言ってきたということは、芹梨も少なからず出会いを求めているというわけで。
しかもあの美少女の代名詞の様な芹梨だ。芹梨がどうこうなくても、むさ苦しい男連中から、芹梨に矢印が向く可能性は大いにある。
きっかけを増やして、どうするよ。
はぁっとため息をつき、携帯を投げ出しかけた。
と、その瞬間バイブが揺れる。
俺は急いで起き上がってメールを見た。
芹梨だ。