With you...
「七海~」
聞きなれた声があたしの鼓膜に届く。
ガラ―っと音が響き、今あたしのいる教室の扉が開かれた。
かばんの方に向けていた視線を扉に向けると―。
『歩夢!!』
そこにはあたしの大好きな彼が、ジーっとあたしを見つめ立っていた。
「七海。お前おせぇよ、デートできなくなんだろ!!」
何故か怒り狂う、あたしの彼氏。
それにイラっときたあたしは―…
『うっさいな!!こっちだって仕事があんのよ、仕事が!』
睨みながら言い返した。
あたしは帰宅部であるが、生徒会副会長という重要な役職に就いている。
もちろん今日も副会長としての仕事があり…他のメンバーは帰ってしまったため、あたし一人で教室にこもっている訳だ。
「あ゛ぁ!?この俺とデートだっつってんのに、何?ドタキャンする訳?」
『んな事言ってないでしょ!!』
「じゃあお前はよ、俺より生徒会のほうが大事だって言いてぇのか?あ゛?」
別にそんな事を言ってるつもりはサラサラない。
怒らすつもりもサラサラない。
完璧ありえない。