愛の天使が舞い降りた

「逃げるぞ」


そう言って、男を殴ったと思われるその人に腕を引かれ、その場を後にした




「棚…橋…くん?」

「そうだけど?」


ちょっと不機嫌な顔をして、私の手を引いているのは、間違いなく棚橋くんだった


「今、何時だと思ってるの?…女1人で出歩く時間じゃないだろ?」


歩きながら、ちょっと怒り気味で言う棚橋くん


「…違ったから…」


聞かれて思い出した
私が家を飛び出した理由


「はぁ?」


立ち止まって振り返る棚橋くんは、そのまま動きを止めた

たぶん、私の涙に驚いているんだと思う

今、私の瞳からは悲しみの涙が流れ続けている

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