『霊魔伝』其の壱 木の章
零次朗が教室を出て屋上に向かおうとすると、百合が追いかけてきた。
「小早川君、ね、一緒に帰ろう。部活は何にするか決めてるの。
私はね、華道部に入ろうかと思っているの。
名前が百合だから、ピッタリでしょう。」
一方的に話す百合に、零次朗は立ち止まった。
「ちょっと待ってくれよ。
俺忙しいから、一緒に帰れないし、部活をやる気もない。
一人が好きなんだ。それに、初めてあったのに馴れ馴れしいよな、おまえ。」
「あっ、小早川君。照れてる。別に恥ずかしがらなくても良いよ。友達になってあげる。」
百合は零次朗の腕を掴んだ。零次朗は突然腕を掴まれて驚いた。
「何をするんだ。」
腕を振りほどくと、逃げるように走り出した。
「また、あしたな。今日は忙しいから。」
零次朗は自分の顔が熱くなるのを感じていた。
百合のような女の子は初めてだった。
何故かわからないが、自分に近づこうとする百合に戸惑いを覚えた。
そのまま走り続けて、屋上まで行くと、小太郎が待っていた。
《零次朗、そんなに息を切らしてまで、急いできてくれたのか。いい奴だな。》
「いや、まあな。それより、その理恵子という子に会わせてくれ。話を聞いてみよう。」
「小早川君、ね、一緒に帰ろう。部活は何にするか決めてるの。
私はね、華道部に入ろうかと思っているの。
名前が百合だから、ピッタリでしょう。」
一方的に話す百合に、零次朗は立ち止まった。
「ちょっと待ってくれよ。
俺忙しいから、一緒に帰れないし、部活をやる気もない。
一人が好きなんだ。それに、初めてあったのに馴れ馴れしいよな、おまえ。」
「あっ、小早川君。照れてる。別に恥ずかしがらなくても良いよ。友達になってあげる。」
百合は零次朗の腕を掴んだ。零次朗は突然腕を掴まれて驚いた。
「何をするんだ。」
腕を振りほどくと、逃げるように走り出した。
「また、あしたな。今日は忙しいから。」
零次朗は自分の顔が熱くなるのを感じていた。
百合のような女の子は初めてだった。
何故かわからないが、自分に近づこうとする百合に戸惑いを覚えた。
そのまま走り続けて、屋上まで行くと、小太郎が待っていた。
《零次朗、そんなに息を切らしてまで、急いできてくれたのか。いい奴だな。》
「いや、まあな。それより、その理恵子という子に会わせてくれ。話を聞いてみよう。」