『霊魔伝』其の壱 木の章
小太郎の案内でプレハブ小屋に行くと、カギが掛かっている。
「小太郎、カギが掛かっている。中に入れない。」
《零次朗、今開ける。》
小太郎は剣を抜くと、呪文を唱えた。
《オン・バサラ・サトバ・アク。》
剣が光り、カギに電流が流れ、ゆっくりとカギが動いて外れた。
《開いたぞ。さ、中に入れ。》
零次朗が中にはいると、気配を感じた。
小太郎と違い、零次朗は心を強く集中しなければ、気を感じることができない。
うっすらと感じるのだが、ハッキリとした形で捉えるには、まだ修行が足りないのだ。
零次朗は集中を高めるために呪文を唱え両手で印を結んだ。
『以我行神力、神道加持力、神変神通力、普供養而住。』
(イガギョウジンリキ・シントウカジリキ・ジンペンジンヅウリキ・フクヨウジジュウ)
すると、空気の一部がもやのように白くなったかと思うと、
次第に人の形になり、ハッキリと姿を現した。
零次朗は静かに話しかけた。
「私は零次朗というもの。あなたが田嶋理恵子さんですか。
この小太郎の導きで、あなたの話を聞きにきました。
恐れず、躊躇わず、そして隠さずに話をしてください。」
《はい、私が田嶋理恵子です。助けてください。
手を貸してください。私はここから出たいのです。》
「小太郎、カギが掛かっている。中に入れない。」
《零次朗、今開ける。》
小太郎は剣を抜くと、呪文を唱えた。
《オン・バサラ・サトバ・アク。》
剣が光り、カギに電流が流れ、ゆっくりとカギが動いて外れた。
《開いたぞ。さ、中に入れ。》
零次朗が中にはいると、気配を感じた。
小太郎と違い、零次朗は心を強く集中しなければ、気を感じることができない。
うっすらと感じるのだが、ハッキリとした形で捉えるには、まだ修行が足りないのだ。
零次朗は集中を高めるために呪文を唱え両手で印を結んだ。
『以我行神力、神道加持力、神変神通力、普供養而住。』
(イガギョウジンリキ・シントウカジリキ・ジンペンジンヅウリキ・フクヨウジジュウ)
すると、空気の一部がもやのように白くなったかと思うと、
次第に人の形になり、ハッキリと姿を現した。
零次朗は静かに話しかけた。
「私は零次朗というもの。あなたが田嶋理恵子さんですか。
この小太郎の導きで、あなたの話を聞きにきました。
恐れず、躊躇わず、そして隠さずに話をしてください。」
《はい、私が田嶋理恵子です。助けてください。
手を貸してください。私はここから出たいのです。》