《短》私の秘密★【完】
ROUND‐5‐約束
―――静かな図書室。
私の目の前に居るタツと亮英の視線が怖い。
「どうして言わへんかったんや」
タツに至っては、声も低くて怖い。
那々は自分で連れて来たのに、一番ビビってる。
「……言えなかった。亮英に那々が話そうとした時、“嘘だろ”って言わたら、何も信用しなくなると思った」
「言わない時点で信用してへんのと同じや」
「違う――ッ!!」
私は思わず叫んでしまった。
でも、本当に違う。
「上手く言えないけど…中学のクラスメイトたちみたいに…“見殺し”って、思われるのが嫌だったの…っ…」
私は溢れそうな涙を、下唇を噛んで堪えた。