《短》私の秘密★【完】
爽やかで容姿端麗。

慶応ボーイなだけあって、頭も良いらしい。

そんな男、そうそう居ないよ。

私は欠伸を奥歯で噛み殺しながら教科書の準備。

1時間目はいきなりの数学。



「音々――ッ!!」



…んー?

そこに聞き慣れた男の声。

私は筆箱を机に置きながら、入り口を見た。



「…………亮英ーリョウエイーか」



鈴木ースズキー亮英。

顔立ちは上の下で悪くない、幼なじみであり、那々の彼氏。

不思議だよ。

私より先に彼氏が出来てるんだもん。

まぁ、性格は悪くないからね。

…しっかし、この学校だとは。

私は「何か用?」と、亮英に近付いた。
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