《短》私の秘密★【完】
「どうせ俺は、お前ら双子より勉強は出来ねぇよ」



「“お前ら”じゃなくて、“学年で一番”でしょ」



亮英は小学校の時、分数で躓いたような男だ。

おばさん、亮英のお母さんが、“中学に行けるかも心配”って、うちのお母さんに嘆いてたっけ。



「お前は容姿端麗、頭脳明晰で良いな。中身が最悪だけど」



「黙れ低能っ!!」



私は膨れっ面で亮英と睨み合う。

ーーガラッ

その時、教室のドアが開いた。

ドアの方に視線を動かすと、1人の男子が立っていた。

腰で穿かれたズボン。

はだけたカッターシャツから見える黒のタンクトップと十字架のネックレス。

グレーのセーターの上には、紺のブレザー。
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