鬼畜王子のメイド様。



「…ほら、陰で言われるのは良い気はしないじゃん?」


私の言葉に女子はうざそう。
聞く耳をまったく持たない様子。


別にいいもん。どう思われようと…。
言うなら正々堂々と言えばいいのに。


「美月さん」


不意に呼ばれた名前。
呼んだのは…雨宮の許婚、桜子さん。


金髪の長い髪が、窓から入る風に揺れる。


…綺麗。

この人は、雨宮の許婚にぴったりだ。

< 98 / 212 >

この作品をシェア

pagetop