共に在る者
「ええ、そうよ。

 あなたの声は小さな鈴がリンリンと鳴るように、とても可愛らしいわ。

 さすがに『リンリン』というのは名前にするにはおかしいから、少し変えてみたのよ」


「リリ……」
 

 小さくつぶやいた少女はマーサの瞳を食い入るように見つめている。
 


 慈悲深い老婦人の瞳の奥に何かを探す。

 何を見つけたいのか分からないまま。


 いや、分からないからこそ見つめていたのかもしれない。




「どうかしたの?」

 マーサに声をかけられて、はっと我に変える少女。


「この名前がどうかしたの?」

 マーサが尋ねる。
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