共に在る者
「それで……。

 あなたが嫌でなければ、私は『リリ』と呼んでも良いかしら?」
 

 そう言われて、少女はぎこちないながらもにっこり微笑んだ。

 この3日でずいぶんと表情が豊かになったものだ。


「リリで良い。……ううん。リリが良い」

 コク、コクと小さくうなづいて、少女は了承した。



「ええ。これからしばらくの間、よろしくね、リリ」

「うん。よろしくマーサ」
 


 自分の名前が決まって精神的に落着いたのか、少女の笑顔は今までになく晴れやかだった。





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