共に在る者
「ええ、そうね」

 にっこりと微笑み返すマーサ。


「言霊……。

 そっかぁ。

 それでマーサはどんなときも明るく“大丈夫よ”って言っているんだね。

 マーサが“大丈夫”って言えば、本当にいつも大丈夫だもんね」
 

 何度もうなづき、リリは納得する。

「私が元気に生きていれば、いつかパパやママと会えるよね?」


「もちろんよ。

 “家族に会いたい”と心の底から願ってその思いを言葉にすれば、きっと気持ちは届くはずよ」
 
 髪をすいていた手を止め、マーサはリリの肩を抱き寄せる。




「ただね、悲しいときには遠慮なく泣いていいのよ。

 無理に明るくしていると心が疲れて、身体も疲れてしまうわ」


「うん……。うん、そうだね」

 リリはマーサに寄りかかるようにして頭を預けた。
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