束縛する人
そんな人柄や
誰からも好かれていることで
最初から警戒心のなかった私は
お兄ちゃんのように思っていた塚本さんのことを
次第に男として意識しはじめ…
その優しさを独り占めしたくなった。
梅雨の半ばのある日
学校の帰りがけそのままバイトに向かった私は
事務所でシフトを組んでいる
塚本さんと二人きりになった
パソコンに向かう真剣な横顔
――早く来て良かった〜
コンビニで買ってきた
新発売のお茶で喉を潤す
新茶のお茶は喉に心地よく
もうすぐ暑い夏がやってくることを
予感させるような味だった。
「おはようございます…」
芸能界のような、これまたバイトのお決まりの挨拶で
塚本さんの方へ声をかけてみる。