永遠の約束-聖母の涙-
今でも鮮明に思い出される父の最期。
あの日を境に、深青たちの運命は変わった。
父親が生きていれば、今もまだ如月神社の正当な血を引く者として、あの地に残っていたはず。
だけど、そうすることはできず、松下たちの力を借り、こうやってここで過ごしている。
母の言うとおり、松下たちの力がなければ、今、深青がこうやってここで普通に生活をすることはできなかったのかもしれない。
松下は出されたお茶を口にしてから、フッと一息ついた。
そして―――…
「そう言っていただけるのは、とても嬉しいのですが―――…」
松下は言葉を詰まらせると、眉を下げながら深青たちのことを見る。
「そんな風に言っていただいた手前、こういうことを言うのは、とても心苦しいのですが―――…」