永遠の約束-聖母の涙-
「なんです…?」
黙る深青たちの中、さゆりが松下に問いかける。
「実は―――…。
………聖マリオネット女学院という学校をご存知ですか?」
一呼吸開けてから、松下は深青たちに尋ねる。
深青たちはお互いに顔を見合わせて、首を横に振った。
「一応、その筋では有名なお嬢様学校なのですが―――…」
「まぁ~…、そうなんですか~…。
その学校のことは知らないのだけど、私、名前だけは聞いたことがある気がするのよね?
どこでかしら?」
腕を組み、首を傾げるさゆり。
そんなさゆりに、松下は深く頷いてから
「恐らくは、ニュースか新聞で聞いたか見たかされたのではないかと思います」
そう告げた。
「ニュース…ですか?」
なんとなく嫌な予感に、深青の眉は自然と寄った。
この先、彼が『心苦しい』という言葉を言った意味からして何を言おうとしているのか、そのことがわかりだしたから。