永遠の約束-聖母の涙-











 少女の名前は、仲間祥子(なかましょうこ)。





 肩までのある茶色い髪を緩やかにブローしている、見た目からして綺麗で可愛らしい女の子。





 大手企業の社長令嬢である彼女は、都内でも有名な名門私立聖マリオネット女学院に通っている。


 その中でも、高い位置についていた彼女は、自分が置かれているこの状況を納得することなんて到底できなかった。


 今まで、自分がこんな目にあったことも、自分がこんな目に遭うなんてことも、想像すらしていなかった。





 ただ、ここ最近、立て続けに聖マリオネット女学院の生徒が行方不明になり、数日後、遺体となって発見されていたことは知っていた。





 だからこそ、今日のHRでも、

「どこかに、寄ることもなくまっすぐに家に帰ってください」

という、担任の話があった。





 全校集会では学長からも、同じことを言われていて正直、耳にたこができるほど、聞かされていた。





 だけど、それでも、祥子はまるで他人事のように思って聞いていた。


 まさか、自分の身に降りかかるだなんて、1mmも感じなかった。


 だからこそ、教師の忠告を聞かずに、放課後、家に帰ることもせずに遊びに行った。


 お嬢様学校である、この学院だけではなく、家でも息が詰まるような令嬢らしい振る舞いをしなくてはいけない祥子にとって、放課後の寄り道は、自分の疲れた心を癒す唯一のことだった。


 それに、自分だけは大丈夫だと深く思っていた。


 だけど―――…





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