永遠の約束-聖母の涙-











     *











「それにしても、本当に阿部さんって成績優秀者だったんですね。

まさか、学年でトップだとは―――…」


「そんなに仰らないでください。

私はただ、毎日勉強しかすることがありませんでしたから。

それで、いつの間にか勉強だけをしていると、身についてしまっていたらしく」


「いいじゃありませんか」


「そうですか? 

ただ、自由がなかっただけです……」


「え?」





 微かに聞こえた真理亜の言葉に、深青は真理亜を見る。


 だけど、真理亜は何事もなかったかのように笑っただけだった。


「それより、如月さん。

お食事に行きませんか? 

今日はカフェテラスででも」


「あ…。

でも、私、お弁当を持ってきているので」





 とてもじゃないけど、その誘いには乗れない。


 転校して初日に、深青はとんでもないことになってしまったのだから。


 それは、ここの学校の金銭感覚が一般とは違うということ。


 校内に食事どころが四つもあるということ自体、他の学校とは違う。


 何より普通の公立高校ではあっても食堂だけ。


 なのに、ここには和、洋、中の一流店。


 そして、気軽なカフェを楽しめるカフェテリアが存在している。


 そこで転校初日に深青は、お弁当を持参してきながらも、クラスとの友好を深めるために、食事の誘いに乗った。


 それがそもそもの間違いだったのだ。





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