永遠の約束-聖母の涙-
とてもじゃないが、真理亜が手に持っている豪華なサンドイッチのほうが深青には美味しそうに見えた。
だけど、真理亜が深青のお弁当を見る目を見ると、とてもじゃないが、お世辞にも見えなくて―――…
「あの、どれでもどうぞ。
食べてください」
恥になるとわかりながらも、つい口からはそんな言葉がこぼれてしまっていた。
「ええっ!?
よろしいんですか?」
「はい……。
お口に合うかはわかりませんが………」
「ありがとうございます!」
そう言うと、真理亜は深青のお弁当の中から綺麗に焼かれていた卵焼きを、深青から受け取ったフォークでさして、口に入れた。
その間の一連の彼女の動作を見ながらも、深青の心臓はドキドキしていた。
お嬢様である真理亜の口に、自分が作った超庶民的な味である卵焼きが口に合うのか。
まるで、試験を受けているような気分で、深青は真理亜の言葉をジッと待っていた。
「ハァ~…」
口に入れた真理亜の口から漏れたのは感嘆とも言えるような声。
だけど、深青としては口に合ったのか合わなかったのか、そのことのほうが気になっていた。