永遠の約束-聖母の涙-
「実は―――…」
残りの二人がゴクリと唾を飲み込む。
それと同時に、深青もまた唾を飲み込んだ。
もったいぶるように話す女の子の言葉に、ジッと耳を傾ける。
「吸血鬼かもしれませんわ」
ガクッ…。
頬杖を付いていた深青は、ガクッと顔を落とした。
がっかり感満載の深青だったのだが、三人はやけに盛り上がっていた。
実際問題、こういう事件が起きても、こういう話を楽しそうにできる彼女たちのことが信じられないが、学園に転校してきて生活をしていて、深青はこの学校の生徒が、普通の生徒とは違うことを嫌というほど知った。
身近に起こった事件。
だけど、この学園の生徒は、それが自分の身に起きるとは、露ほども思っていない。
被害に遭ったのが同じ学校に通っている生徒でありながら、この学園の生徒はどこか他人事だった。