永遠の約束-聖母の涙-





 深青はふと窓から見える、黒塗りの車へと視線を向けた。


 すると、先ほど校門前で立っていたスーツを着た男性とは違う別のスーツを着た男性が一人と、シスターの姿をした女性が一人。


 そして見覚えのある、恰幅のある男性が覆面パトカーへと何かを話しながら歩いていっていた。


 シスターはその服装により、顔が見えないため誰かは判断できない。


 だけど、見覚えのある恰幅のある男性は、この学園の学校長であることを、深青は気づいていた。





 事件のことで、何かわかったことがあるのかしら?





 視線を向けながらも、『それは、ないな』と心の中で思う。


 正直、松下の話を聞いて、警察の捜査は行き詰っている。


 そう深青は感じていた。


 だからこそ、この短期間で新しいことがわかったとも思えなかった。





 警察ができることは知れている。


 どんなに有能な刑事であろうとも、根本的な解釈が受け入れられない事態の事件では、その能力も発揮できない。


 恐らく、今回の事件で行き詰っている原因はそこにあるのだと深青は思っていた。





 ボ~ッと黒塗りの車が停まっている車両を見ていると、ふと自分のスカートが振動しているのを感じた。





 携帯?





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