永遠の約束-聖母の涙-
慌ててポケットから携帯を取り出し、画面を見たところで、深青は慌てて教室を飛び出した。
そして、声を潜めながら携帯に出た。
「どうしたんですか? 松下さん…」
潜入捜査を依頼してきた松下は、学校が今どの段階にあるのか、そのことをよく知っているはず。
その松下がわざわざ電話をしてきた。
そのことに、何かがあったのかもしれないと深青は嫌な予感を感じた。
深青は声を潜めながら、人通りの少ない場所へと歩いていく。
『深青ちゃん…。
今、刑事がそっちに行ってないか?』
「来てます。
どうやら、学校長と何かを話しているみたいですけど―――…」
『そうか…。
今回の件は、学校側にも便宜を図ってもらわなくてはいけないから、仕方なく君のことを話しているんだが―――…』
「はい…」
『学校長にはくれぐれも捜査にも関係することだから、深青ちゃんの存在は警察にも話さないで欲しいと言っておいたのだが―――…』
「はい…。
もしかして、納得されなかったのですか?」
『いや…。
そういうわけではなく、納得はしてくれたのだがね…。
彼の中に、疑問を残すことになってしまった』
「疑問?」