永遠の約束-聖母の涙-
綺羅の元で、初(うい)が封印から解かれた。
その時点で、私と綺羅の時間も動き出している。
そして、ここ最近起こっている不可思議な事件。
それらを全て裏で操っている人物がいるとすれば、それはあの人しかいない―――…
『―――深青ちゃん。
くれぐれも無理だけはしないで。
こんなこと頼んだ私が言うのもなんだが、君にもしものことがあれば、さゆりさんや唯香ちゃんに申し訳が立たないよ』
「わかってますよ。松下さん」
『本当に?』
「はい。
とりあえずは、調査を続行します。
だけど、まだ確証めいたものは提示できませんが、やはり私としては、今回の事件は人ならざるものの仕業だと思います。
今回のこの聖マリオネット女学院の事件が、ここ最近起こっているものと同じだとは言えませんが、調べる価値は、私にはあると思います」
今までの事件は、陰陽道と深く関わりのある妖魔が相手だった。
だけど、今回のこの事件では深青の中にある、数々の妖魔の情報と一致するものがない。
『そうか…。
とにかく、気をつけて』
「はい」
深青は明るく返事をすると、携帯を切った。