永遠の約束-聖母の涙-





 綺羅の元で、初(うい)が封印から解かれた。


 その時点で、私と綺羅の時間も動き出している。


 そして、ここ最近起こっている不可思議な事件。


 それらを全て裏で操っている人物がいるとすれば、それはあの人しかいない―――…


『―――深青ちゃん。

くれぐれも無理だけはしないで。

こんなこと頼んだ私が言うのもなんだが、君にもしものことがあれば、さゆりさんや唯香ちゃんに申し訳が立たないよ』


「わかってますよ。松下さん」


『本当に?』


「はい。

とりあえずは、調査を続行します。

だけど、まだ確証めいたものは提示できませんが、やはり私としては、今回の事件は人ならざるものの仕業だと思います。

今回のこの聖マリオネット女学院の事件が、ここ最近起こっているものと同じだとは言えませんが、調べる価値は、私にはあると思います」





 今までの事件は、陰陽道と深く関わりのある妖魔が相手だった。


 だけど、今回のこの事件では深青の中にある、数々の妖魔の情報と一致するものがない。


『そうか…。

とにかく、気をつけて』


「はい」





 深青は明るく返事をすると、携帯を切った。











< 50 / 102 >

この作品をシェア

pagetop