永遠の約束-聖母の涙-
(2)
太陽の光が水辺に反射して水面がまるで光っているかのよう。
そして、その光を浴びるかのように佇む真っ白い十字架を背負った建物。
それは、まさしく【神秘】という言葉でしか表すことができない。
その光景を前に、ただ深青はぽかんと立ち尽くしていた。
まさか、こんな場所がこの学園の敷地内にあったとは―――…。
こんなに神々しい建物、建っていれば、すぐにでも気づきそうなもの。
だけど、この建物の周りには、まるで隠すようにして深い緑の木が取り囲んでいた。
そして、緑に覆われた中に煌びやかな水面を浮かばせた湖。
ここは、まるでオアシスのように深青には見えた。
「深青さん…?」
あまりにも神々しい光景に、呆然としていた深青だが、真理亜の声にハッと我に返る。