永遠の約束-聖母の涙-
「感じたの!」
「は? 何を?」
「だから、視線!」
「視線?」
「ええ。
すごく嫌な気配と共に、悪意に満ちた視線。
あの時、私は何かに背中を突き刺されたような感覚を受けたもの」
「それって…、視線で殺されたって感じの?」
「そう!
まさに、そういう感じ!」
「へ、へぇ~…」
目の前で力説されるものの、唯香には何のことかさっぱりわからない。
「で? それが、どうしたの?」
「どうしたのって…。あの学園で、私にそういった視線を向ける人物が居たということよ」
「それって―――…。
お姉ちゃん、あの学校でいじめにでもあってるの?」
とんちんかんな唯香の言葉に、ガクッと項垂れながらも深青は「違います」と否定した。
「それはないけど……。
もしかしたら、私の存在が邪魔だと思っている人物がいるのかもしれない。
それに、あの時に感じた感覚は………」
悪意と共に、霊の存在を感じた………