永遠の約束-聖母の涙-


「感じたの!」


「は? 何を?」


「だから、視線!」


「視線?」


「ええ。

すごく嫌な気配と共に、悪意に満ちた視線。

あの時、私は何かに背中を突き刺されたような感覚を受けたもの」


「それって…、視線で殺されたって感じの?」


「そう! 

まさに、そういう感じ!」


「へ、へぇ~…」





 目の前で力説されるものの、唯香には何のことかさっぱりわからない。


「で? それが、どうしたの?」


「どうしたのって…。あの学園で、私にそういった視線を向ける人物が居たということよ」


「それって―――…。

お姉ちゃん、あの学校でいじめにでもあってるの?」





 とんちんかんな唯香の言葉に、ガクッと項垂れながらも深青は「違います」と否定した。


「それはないけど……。

もしかしたら、私の存在が邪魔だと思っている人物がいるのかもしれない。

それに、あの時に感じた感覚は………」





 悪意と共に、霊の存在を感じた………





< 80 / 102 >

この作品をシェア

pagetop