永遠の約束-聖母の涙-











「あら、深青。もう、学校に戻るの?」


「ごめんなさい、お母さん。

ちょっと、気になることがあるから」


「まぁ~、そうなの? 

久しぶりだから、せっかく腕によりをかけた料理を作ろうと思ってたのに…」


「ごめん。

お母さんの手料理は、この事件が解決したら、ゆっくりいただくから」





 階下で繰り広げられている母と姉の会話を耳にしながら、唯香はボソリと呟いた。


「本当、仕事人間…」











 久しぶりの家族団らんとなるかと思ったこの日は、その願いは叶うことはなかった。


 そして、この一縷の道筋を見出すための帰省で気づいたことで、事件は動き出そうとしていた。

















< 82 / 102 >

この作品をシェア

pagetop