永遠の約束-聖母の涙-











     *











「阿部さん。

昨日のパーティー、とても素敵でしたわ~…」


「本当に。

私もパーティーに呼んでくださってありがとうございました」


「いいえ。

同じクラスメイトですもの。

親しくしてくださっている方たちを招待するのは当たり前のことです」





 教室に入ると同時に、聞こえてきた声。


 その方へと視線を向けるとそこには、真理亜を取り囲むようにして大勢のクラスメイトたちが群がっていた。





 そういえば、昨日は真理亜さんのお披露目を兼ねたパーティーだったんだわ。





 そんな風に思いながら、自分の席に着くと「深青さん」といつもの明るい声に深青は顔を上げた。


「真理亜さん………」





 深青は目の前に立つ真理亜の後ろを見る。


 先ほどまで皆に囲まれていた真理亜。


 会話も途中だったように思えた深青は、彼女が先ほどまで座っていた席を見る。


 すると、まだ話し足りなかったのだろう。


 先ほどからは人数は減ってはいたが、まだ大多数の生徒がこちらを見ていた。





 これって………。





< 85 / 102 >

この作品をシェア

pagetop