永遠の約束-聖母の涙-
「あの、真理亜さん?
お話、途中だったんじゃ………」
「あ、大丈夫ですよ。
お話は終わりましたし…」
そうかな~?
全然、大丈夫そうじゃないけどな………。
こちらをじ~っと見てくる彼女たちの視線を見る限り、その会話を中断させてしまった深青の存在を疎ましく思っているのが目に見えてわかる。
私からしたら、あんなパーティーなんて場違いもいいところだから嫌で仕方ないけど、彼女たちからしたら、それはそれは楽しくて仕方がなかったことなのかもしれない。
「深青さんにも、ぜひ出席していただきたかったです……」
残念そうに眉を下げる真理亜に、深青は苦笑するしかなかった。
あれからも、何度も何度も真理亜は深青をパーティーに誘ってきたのだった。
だけど、深青は丁重に何度も断り、結局は首を縦に振ることはなかった。
「両親も、深青さんとお会いしたいと言ってました………」
「そ、そうですか…。
申し訳ありません。
私も、実はこの週末は実家のほうへと帰ってまして」
「まあ…!
そうでしたか。
では、久しぶりのご実家に帰られるために………。
それは、仕方ありませんわ…。
それで、どうでしたか?
久しぶりのご実家は?」
目をキラキラとさせながら聞いてくる真理亜に、深青は「別に、特には…」と返せるわけもなく、「楽しかったです」と当たり障りのない言葉を返した。
それも、すぐに事件の糸口を見つけられたと同時に、とんぼ返りのようにして帰ってきてしまったのだが、そのことは知られないようにしようと深青は固く誓った。