恥ずかしがり屋な君と無自覚な私
「みみみ…みっちゃんみんな見てるよ?」
「あっ…そうだった、教室行こっか?」
みっちゃんは背が高くてスタイルよくて笑顔がとっても似合う。だから私は羨ましい…。
私はニコッと笑って
「うん」
と言った。
「…やっぱ可愛い…家に持って帰りたい…」
みっちゃんはまた私を抱きしめる。
「みっちゃん…」
そう言ってみると、学校の女子の叫びのような悲鳴のような声が聞こえた。
つまり…
『キャーーーー!!!!』
という声。
「まーた来たね、あの金持ちのボンボンが…」
私を抱きしめていた腕が緩まって、遠くにある校門を嫌な目で見つめるみっちゃん。
冬聖(トウセイ)くんが来たのかな?
あっ…。えっとね、冬聖くんっていうのはね、鮎川 冬聖(アユカワ トウセイ)くん。
お金持ちでスポーツ万能で頭もいいんだ。それでね冬聖くんはみっちゃんのことが好きで、いつもアタックしてるんだけど、相手にしてもらえないんだ。
お気の毒だよね…。