恥ずかしがり屋な君と無自覚な私
「あっ。そうだ名前教えてなかったな。この人この店の店長で神崎裕也(カンザキユウヤ)さん。」
橋本くんが私に神崎さんの紹介をしてくれる。
「よろしくな」
ニッと笑った神崎さんは男らしくて好きかも…。
「んで、こいつは三日月小春。今日は昨日のお礼でなんかプレゼントしようと思って連れてきた」
昨日のお礼って…。
お弁当の!?
「あ…あの橋本くん!?私そんなたいそれたことしてないよ!?た…ただお弁当作っただけで…」
あわあわとカバンをぎゅっと掴んで少し俯く。
「だから、そのお礼。うまかったし」
「こいつ結構律儀だからさ。もらってやんな」
ニコニコしながら神崎さんは私を見る。
「あっ。は…はい!!」
って思わず言っちゃったけど、私もらって大丈夫なのかな?
アクセサリーなんて初めてだし…。
「それで、何がほしい?」
「へ?」
「だから、アクセサリー。何がほしい?」
「えっ?あっ。えっと…えっと…。こ…これ!」
私はとっさに目に入った黄色のネックレスを指差した。
キラキラしててきれいだったから。
指差したのはいいけど橋本くんから何も言われなくて恐る恐る見上げるとびっくりした顔をしてる橋本くん。
そして、ふわっと微笑んだ。
へ?なんで?
「俺のピアスと同じ色。この色俺好きなんだ」
微笑んだまま私を見る橋本くん。
その笑顔反則だよ…。