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旧友達との、楽しいやり取りをしながら、私の心は5年前に引っ張られていく…


「俺、お前を支えられる自信ないよ。」

稔…?何を言うの…?

体が暗闇に落ちていく…

5年前、私は稔と付き合っていた。秋田と、東京。遠距離ではあったけど、それなりにうまくいっていた。

あの、事件があるまでは…

私は5年前、レイプされた。
何人もの男の人に、何度も、何度も、

犯人は捕まり、私は長期休暇をとり、秋田に帰ってきた。
稔だけには事件の事を伝えた。

分かってくれると思った。
稔との絆を信じていた。

でも、稔が発した言葉たちは、私を暗闇に突き落とした。


涙も出なかった。ただの闇しかなかった。




再び、みんなの笑い声が私を現実に引き戻す。

「どうしたの?美鈴?」

香苗の笑顔が目の前にある。

加奈子は心配そうに見てる。

雄二は不思議そうな顔をしている。

稔は…ビールをひたすら飲んでいる。


「なんでもないよ、ちょっと長い移動で疲れてるだけ」

「ほんと?着いたばかりだもんね。なんか悪かったね」

加奈子の優しさにはいつも、救われてるな。

「なんだよ、ババァみてーな事、言ってんなよ」

雄二の底ぬけの明るさにいても励まされる。

「ほんとにババァみたいだよね!ごめん!飲もう!」


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