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それから、私と稔は随分と長い間話した。


稔と別れた後の事。順一とのこと。


「なんか、俺、情けないよな。一番ツライ時に投げ出したんだもんな。」

「ううん。そんな事ないよ。」

「でも、美鈴が幸せそうでよかった。ホントは俺がお前を…」

俺が?お前を?


「って俺、なに言ってんだ!ごめん!今更、遅いって!」


遅いよ。稔。遅すぎるよ。

でも…私…稔の事…


「ほんと、遅いよ。私だって稔と…」


そこまで言うと、私の唇は稔の唇に塞がれた。私が本当に欲しかった全てが今、目の前にある。


それを突き放すほど私は強くない。


ごめん。順一…。

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