桜の花びら
満開もつかの間、
ある、風の多い日に、
花びらたちは風に乗って行ってしまう。

私たちに、花びらのシャワーを浴びせながら、去っていってしまう。

そして、舞いながら、街に花びらの魔法をかける。

「もう春だよ。出ておいで!」

お寝坊の樹の葉が、その呼び掛けで一斉に顔を出す。
< 6 / 9 >

この作品をシェア

pagetop