1ページの恋
駆け込み乗車
彼女は今日、この町を去る。
僕はまだ何も伝えてない。
彼女は僕が好きだ。
僕も彼女が好きだ。
だけど伝えてない。
彼女が町を出ることは決まっていた。
だから…
彼女は言った。
『もうバイバイ…だね。』
僕は返事をする。
『そだね。。。』
彼女は言った。
『きっとまた会えるよね?』
僕は返事をする。
『…ぅん』
彼女は泣いていた。『…じゃあ行くね?』
僕は何も言えなかった。
僕はまだ何も伝えてない。
僕は…
出発を知らせるベルが鳴り響く。
ドアが閉まる。
次の瞬間…
僕は閉まるドアに体を滑らせた。
彼女は言った。
『何してるのさ!!バカっ!!!!』
僕は彼女を抱きしめた。
そして言った。
『バカでいい!!!!バカでも何でもいいから…泣くなや…そんで付き合ってよ。そしたら、バイバイ言わなくてすむだろ?』
彼女は言った。
『…バカ』
僕は返事をする。
『知ってる』
彼女は言った。
『…好きだよ』
僕は返事をする。
『それも知ってる』
彼女は言った。
『…ありがと』
僕は返事をする。
『…おぅ。』
僕等は走り出した。
まだ見ぬ未来へ…