1ページの恋
最期
彼女が入院をした。まぁ、ただの骨折だったんだけどね。
だから、一階でジュースを買って笑顔で病室に入ったら、救命措置をしていて…なんていうか…
頭が混乱した。
「あんたぁ!!しっかりしなぁ!!」
その言葉で我に返った。病室を間違えたんだ。
ドンッ…
除細動の音が鳴り響く。
じいさんが目を開けて言った。
「先…逝っとるわ…へへっ…ワシは先逝って…他の女抱くから…お前はもちっとゆっくりしてから来いや…」
ばあさんが言った。
「この期に及んでまた浮気かぃ…フンっ…さっさと逝っちまいなっ!!」
「ああ…そうするよ…なぁ…おれは楽しかったぞ…」
「あたしもだよ。」
「そりゃよかった。」
じいさんは目を閉じた。
後から聞いた話だけど、その日の夜に亡くなったらしい。
最期か…
アイツに看取ってもらいたいっていうのは俺のワガママかも知んないけど…やっぱりアイツの顔見て死にたいな…