1ページの恋
I hope that …
『なんか欲しいものある!?』
君が思い立ったように言った。
『特にないかな…?』
『えー…じゃあなんかして欲しいこととかは!?』
君はほんのちょっとだけ残念そうに言った。
『なしたの急に…』
僕は笑ってしまった。
『いいから!!なんかして欲しいことある?』
君は上目使いで僕を見る。
『んー…じゃあキスしてよ』
僕はイジワルっぽく言った。
『はぁ…わかってないなぁ…』
君は人差し指を立てて「チッチッ」とやった。
『何年前のリアクションだよ…』
僕はボソッと言った。
すかさずデコピンが飛んでくる。
『明日誕生日でしょ?』
君は言った。
『誰の?』
君は大きなため息をついて、僕の鼻を人差し指で潰した。
『僕?』
鼻を潰されたまま話したから声がにごった。
君はケータイの日付を僕に見せた。
『あっ、本当だ。』
自分の誕生日なんかいちいち気にしないから、全く気付かなかった。
『で?』
君が言った。
『…で?』
僕は聞き返した。
またデコピンをされた。
同じとこに2発は痛い。
『なんかして欲しいことある?』
『んー…じゃあさ?』
『うんっ!!』
君の目が輝いた。
『来年も再来年もその次の年も…俺に「明日誕生日だよ」って教えて?』
君は少し考えて、顔を紅くして言った。
『バァカ…当たり前じゃんか…』
なんか涙目になってる気がする。
『好きだよ。』
僕は笑って言った。
『だいっきらい…』
君はアカンベーをしてみせた。
今度は僕がデコピンをする番だな…