1ページの恋
ベンチ


はつでーと、ハツデート、初デート…



手…繋ぎたいな…


でも、あたしからなんてやっぱりダメかな…


『あのさっ…』


急に彼が口を開いた。


『…ちょっと、座らない?』


公園のベンチを指してゆう。


『…ぅん』


そしてベンチに座って…


なにも話さないまま時間が過ぎた。


『どっか行こうか…』


あたしはうなずいた。


『とりあえず街まで行く?』


あたしはまたうなずいた。


『よし』


そういって立ち上がると、彼はあたしに手を差し伸べた。


顔が少し赤い。


あたしは手を掴んで立ち上がった。


そして、歩き始めた。


…手を掴んだまま。



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