KISS AND SAY GOOD-BYE





空港を出ると、新星グループの会長(高山社長は新星MUSICの社長を兼任する新星グループの会長である)秘書が迎えに来ていた。



そのまま、新星MUSIC本社に向かい、高山社長と俺達はそこで降り、社長の御家族はそのまま御実家に向かった。



「さぁ、桧山君に滝本さん、ここが新星グループの中枢で、他の関連会社を動かしている心臓部分に当たる所だよ。」



『いつ見てもデカイですねぇ!』



「桧山君は、ここ知ってるのかい!?」



『はい、以前アボジ(親父)と一緒に韓国に来た時に、何度かここの隣のロッテワールドホテルに宿泊しましたので。』



「そうか、そうか!

目立つだろ!」



『そうですね♪

ヤッパリ、この業界は見た目も大事なんですね!』



「そりゃそうさ!

芸能界は、ハッタリを効かせてなんぼ!みたいなところだからね。

見栄も必要だよ。

さぁ、中に入ろう。」



と言うと、俺達3人は新星MUSIC本社の中に入っていった。



入り口に立つセキュリティースタッフが、最敬礼をして出迎えてくれた。



館内に入ると、従業員達が次々にお辞儀をしていく。



重役専用のエレベーターに乗り込んだら、6階の社長室まではあっという間に着いた。



『素敵!

最上階のフロアーって川が一望できるパノラマビューになってるんですね!』



「滝本さん、あの川が先程桧山君が言っていた韓江(ハンガン)って言う川だよ。」



『凄く大きな川なんですね。』



「冬になると、この川が凍るんだよ。」



『そうなんですかぁ。

東京よりも寒いんですね。』



「そうだね。

ソウル市内でも、緯度は日本の東北部に近いところに位置しているから、結構冬は雪が降ったりしてメチャクチャ寒いんだよ。

だから、温床(オンドル)部屋と言うのがどの家にも在るんだよ。」



『オンドル部屋?ですか?』



「美華、床暖房システムの事なんだ。

部屋の床下や、時には壁の中まで配管を通して、その管の中に蒸気を流すんだよ。

すると、冬でもポッカポカで、気持ちいいんだ。

最近では、蒸気を使わずに電気で暖める方法が主流に成りつつ有るんだけれどね。」



『そうなんだ!

今度は冬に来てみたいわ!』



なんて言いながら、社長室に入っていった。



「さあ、どうぞ座って。

直ぐに飲みもんでも持ってこさすよ。」



と言って、デスクの上にあるインターフォンで、紅茶を持ってくるように支持していた。



『ところで社長、今回新たに作ったアクタースクール本社校に行けますか?』



「あぁ、そのつもりだよ。

今回、初の試みとして始めたアクタースクールだけど、こちらの本社校から、18才以上の高卒者から上位ランク男女5名ずつ選抜して10名を一緒に連れて帰る事になっているから。」



『了解しました。』



「そして、彼らの荷造りも手伝ってくれるね!?」



『えぇ~!

そうなんてすか!』



ヤッパリなぁ~!

突然、韓国に行くから一緒にどうだい!?なんて誘ってくれるから、本社見学が出来るぞと喜んではいたものの、何か有ると思ってたんだよなぁ……




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