KISS AND SAY GOOD-BYE
美華の緊張が、こっちにも伝わってきた。
出来るだけ彼女の緊張が解(ほぐ)れるように、
「寝る前に、ちょっとこれ見て!」
『それなあに!?』
「デジタルカメラ!
韓国来る前に、カメラ屋さんで最新のデジカメを買ったんだけど、美華にナイショにしてたんだ。
お陰で、素の美華が沢山撮れたよ。」
『ひど~い!
隠し撮り!?』
「そんな訳じゃないけど……」
『でも、まぁ~いっか!
リュウだもんね!
他の人なら嫌だけど。
見せて!?』
「どおぞ!
このボタンを押したら次の画像が見られるからね。」
『へぇ~!
なかなか良い感じに撮れてるね!
うわぁ~!
豚の顔と私を一緒に撮らないでよね!』
「今日のベストショットだぞ!
美華とにらめっこしてるみたいだね。」
『わぁ~、これって市場に有った花屋さんだよね!?
綺麗なお花。
って言うか、お尻から撮ったの!?
リュウのエッチ!』
「ハハハ……。」
『屋台のおでん屋さんだぁ!
おでんを頬張ってるとこを撮るなんて、リュウって悪趣味~!』
「後で、日本に帰ってからカメラ屋さんでプリントしてあげるね。
御両親にも見せてあげたら、喜ぶと思うよ。
さぁて、そろそろ寝るよ!
さぁ、美華……こっちおいでよ。」
と言いながら、サイドテーブルに付いているコントロールパネルのスイッチを調整して、ほんのりと室内を薄暗くした。
『ねぇリュウ……、やさしくしてね!』
「うん!
でも、本当に良いの?」
『良いよ……だって、こんなにもリュウの事を大好きで、いつも一緒に居たくて……それに私の中にリュウとの証しとしての大切な物を刻んで……』「美華は頭で考えすぎ! 愛しているから美華が欲しい!」
『だよね!
私も、愛しているからリュウが欲しい!』
「そう。
大事にするから。」
『……あ……たし……も……』
優しく口づけをして、しだいに激しく求め会う様にキスを交わし、段々とそれは激しさをましていった。
はだけた美華のバスローブから、十分に成長した胸が零れる。
一瞬、恥ずかしくなったのか、美華の体が硬直したが、ゆっくりと時間を掛けて口づけを交わしているうちに、段々とお互い大胆になってくる。
十分に硬くなった膨らみの頂にキスをすると、ビクンと驚いた様に体を仰け反らしたが、直ぐに俺の背中に腕を廻してきて、キツいくらいにしがみついてくる。
はだけたバスローブを脱がすと、そこには一糸纏わぬピンク色に紅潮した美華の体があり、俺の男としての闘争心が膨らんでくる。
優しく優しく口づけを這わし、美華の切ない声が漏れ始めたのを聴きながら、ゆっくりと時間を掛けて一つに重なっていった。
痛さで歪んだ美華の顔を見て「大丈夫?」って聞いたが、それには答えず俺の背中に回した腕に力が込められた。
初めて美華と出会ってから丸2年。
やっと心と体が一つに成れた。
『好き……好き……好き……』
美華が、何度も何度も絞り出すように好きを連呼する。
それに答えるように、俺もゆっくりと深く美華の中に入っていった。
初めての彼女は、最後の方は掠れたような声で俺の名前を呼び、そして意識を手放していった。
俺は彼女にブランケットを掛けて、顔にかかった髪の毛をかき揚げてあげた。
眠っている彼女の瞼に口づけを落としてから、ソォ~っとベッドから抜け出して軽くシャワーを浴びてから冷蔵庫の中に有ったミネラルウォーターを一気に半分ほど飲み干してから、静かにベッドに戻った。
サイドテーブルにある時計でアラームを朝の7時にセットしてから、美華を優しく抱き締めて眠りについた。
翌朝、目を覚ますと……